面白い写真展を見た。
シノハラユウタ写真展
「NO BRAIN -ノウナイ-」
作者自身の脳内を表現したという展示はL判のプリントが壁面、天井、埋め尽くし、観覧者の足元にも積み上げられている。その数9千枚以上。展示に18日掛かったという力作だ。
これだけの枚数の写真を一枚一枚見るのは不可能。そう、作家は一枚一枚の写真の意味を否定する。9千枚でひとつの作品なのだ。
会場内にいると頭がくらくらする。9千のイメージが頭の中を駆け巡る。
この空間には作者の作品に掛けるエネルギーが充満している。
そのエネルギーに圧倒されてぼくは床に倒れこむ。
おお。そうしてみると・・・。
立っていた時とはまったく違った見え方だ。まるでプラネタリウムの天空が迫ってくるかのような感覚。壁と天井がぐるぐる回っているかのようでもあり、次の瞬間、9千の写真がぼく目がけて飛んでくるような錯覚になったりする。
考えてみれば、ぼくはいつも同じ高さで世界を見ていた。地上170センチの視線が何年も続くと退屈で投げやりになる場合さえある。
時には世界を鳥のような視線で、そしてまた地を這うような視線で見て行こうと思う。その高さでしか感じることの出来ない物が必ずある。
そんな発見もあったり。
この写真展はお勧めです。
大阪市北区のギャラリー10:06にて9月28日まで。
http://www17.ocn.ne.jp/~ga.1006/news.htm
Category : 日々の生活の中で