無事に2025年を迎えることができました。
2025年1月1日、私は午前4時に起床し初日の出を見るために山を登りました。
これで4年連続、元日の同じ時間に起きて同じ山に登っています。
自宅からは歩いて約1時間半。
まだ暗い夜明け前に自宅を出発し、途中で越木岩神社に立ち寄り手を合わせました。
神社あたりから急な上り坂になり、やがて山道へ。
息を切らせながら進み、日の出ポイントに到着しました。
東の空に薄い雲がかかっていましたが、太陽を完全に隠すほどではありません。真冬の寒さに震えながら日の出を待ちました。
やがて薄いオレンジ色の光が雲間から現れ、それが鮮やかな光に変わりました。
冷え切っていた体が暖められて行くのを感じます。とてつもないエネルギー・・・
太陽の下には生駒山系と大阪平野が広がり、梅田周辺のビル群がシルエットとなって連なる光景に見入りました。
息を飲むこの光景は、ちょうど1年前と何ら変わらない気もします。
あの時も東の空の低い位置に雲があって、その向こう側からオレンジの太陽が昇りました。
同じように太陽のエネルギーを感じ、同じように感激し写真を撮りました。
その「同じように」また新年を迎えられることがとても嬉しく思います。
私は1年前と同様に健康で、こうして山に登ることができること、ここから見える街が平和であること、
当たり前と思われることがどれほど有難いものかと思います。
昨年観た映画の中で印象的だった作品に役所広司が主演の「PARFECT DAYS」があります。
映画の主人公はトイレ清掃の仕事をしており、質素ながら規則正しい日々を送っています。
毎日決まった時間に起き、丁寧に仕事をこなし、昼食は決まった神社でとり、仕事が終われば銭湯に行き、いつもの居酒屋で夕食をとる。
そして夜は布団の中で古本屋で買った文庫本を読み、静かに眠りにつく。
主人公は日々の暮らしの中で、空を見上げたり木漏れ日にカメラのシャッターを切ったり、小さな変化に気づきそれを楽しむ余裕を持っています。
大きな出来事や派手さに頼ることなく、慎ましくも豊かな生き方が描かれていました。
この映画を観て、私も同じように大きな出来事に一喜一憂するのではなく、繰り返される日々の中にある小さな瞬間を丁寧に見つめ、大切にして行かなければならないと感じました。
写真を撮る際も同じこと。表層的な派手さを追い求めるのではなく、被写体の本質や内面の魅力をこれまで以上に丁寧に感じ取りたい。そして、それを写真に写し出すことを突き詰めて行きたいと考えています。
今年もこれまでと同じように写真を撮りますが、ケープ・ライトの写真も少しずつ変化しています。
より良い写真をお届けできるように心を込めて取り組んで参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
河田洋祐