「お花畑で前撮り撮影をしたいんです」
と相談を受けたのは10月の半ばでした。
おふたりの結婚式は2月。ということは、何としてもこの秋に撮影をしなくてはなりません。
今から衣装を準備してロケ地を決めてみんなが合うスケジュールを見つけてとなると余裕が全くありません。
通常ロケ地を決めるのは最低でも撮影日の2カ月前になります。このタイミングだと時間がなさすぎる・・・
最速で11月20日に撮影可能と判明し、ぼくは11月下旬にお花と一緒に撮影ができるロケーションをまずは探しました。
そして撮影予定の時期にお花が咲いているか電話で問い合わせました。
1番目…あわじ花さじき→コスモス畑はもうなくなっている
2番目…万博記念公園→紅葉はあるが秋のお花はもう終わった時期
3番目…神戸森林植物園→問い合わせるまでもなく標高が高いので季節は冬になっている・・・
半ば諦めながら、これまで撮影で訪れた場所を思い返していると・・・
布引ハーブ園という場所はどうだろう?とひらめきました。
以前撮影で行った時と季節は違うけれど、広い庭園はくまなく整備されていたし、ひょっとしたら晩秋でも花があるかも・・・・
一縷の望みを持って電話で問い合わせました。するとまだコスモスが残っているとのこと!
これはとても嬉しい。これでロケ地は無事に布引ハーブ園に決定しました。
ただ撮影日が雨だともうどうすることも出来ません。
「晴れてくれー!」祈る気持ちで当日が来るのを待ちました。
そして迎えた撮影当日は朝から見事な快晴。
花婿のタイガさんは「ぼく晴れ男ですから!」と笑顔いっぱいでした。
支度を済ませ、ぼくたちはロープウェイでハーブ園へ向かいます。
どんどん標高を上げて神戸の街と海が足元に遠ざかって行き、景色に見惚れている間にハーブ園に到着。
ここではクリスマスマーケットもあり、日本とは思えない空間が広がっていました。
青空を背景にも撮れるし、コスモスにとどまらず何種類ものお花が咲いていました。紅葉シーズンとしてもドンピシャのタイミングでススキの穂もキラキラと輝いています。
おふたりの姿を秋の太陽が引き立てます。
わたしたちが何のポージングを伝えなくても、タイガさんとホノカさんは自然に動いてくれます。表情最高!
布引ハーブ園には小屋を模した建物もあり、そんな建物を生かした写真も撮りました。
体育会系のおふたりらしく坂道ダッシュをした写真や、神戸の街と青空を背景にした写真まで、心ゆくまで秋の晴天を楽しみました。
撮影後は遠足と運動会を同時にやったような充実感。
短い準備時間でしたが、最高の写真を残すことが出来ました。
素敵な撮影をさせていただき、ありがとうございました。
河田洋祐